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two hearts 【10】

2008年01月31日 21:45



「課長・・・」 美香は紅茶を片手に立ちすくむ。

「あれ、森下さん。早いねぇ。」 

「課長こそ、どうしたんですか。」

「この支店のことは何もわからないから、ちょっと予習をね。」

聞けば今日は始発で出社したらしい。
課長のデスクの上にはグループの担当地図や成績表、得意先リストなどが山を作っていた。

「あ、紅茶でしたら私がいれます。たまたま家にあったのを持ってきましたから。」

「おっ、ありがとう。じゃ、お言葉に甘えて。」

二つのマグカップから湯気が立つ。
それから30分ほど誰も出社してこなかった。
美香は自分の仕事をしながら、きっかけを探していた。
手には打ち出したばかりの見積書がある。

「あの、これ。今日取引先に出すんです。価格の了解をいただきたいんですけど。」

「結構大きい契約だね。すごいな。価格はOKだから頑張って。決まったら一杯おごるよ。」

「はい!」 自分でも驚くほどやる気になっていた。

飛び出すようにして支店を出て、真っ先に取引先に向かう。
先方の担当者は即決することをためらったが、美香はいつになく積極的に契約を迫った。
とうとう根負けした担当者が判を押した時、自分が震えていることに気づいた。


わたし、どうしたんだろう。
何に震えているのか、自分でもわからなかった。
いや、わかっていたがそれに気づかないふりをしているだけ。

第一、課長は結婚してるじゃない。
相手だって迷惑だろうし、わたしだって自分からそんな関係を望もうとは思わない。
誰もが不幸になることくらいわかってる。何より、わたしのためにならない。
課長がどんな人なのかも知らないし、向こうもわたしを知らないだろう。
仲がいいくらいの程度の方が仕事はしやすいだろうけど。
今朝の紅茶の一件だって、グループをまとめるためのお世辞かもしれない。

頭から離れない思いを必死に打ち消すように、美香は考え続ける。
そうしなければ、膨れ上がった思いに打ち負けそうな気がしていた。
だが、否定すれば否定するほど、その思いは大きくなってくる。


会社に戻り、真っ先に課長に契約成立の報告をした。
それを喜ぶ課長の笑顔が美香の気持ちを満たした。
あの約束、覚えててくれてるかな。
いつもは早く帰りたい一心で仕事を片付けていたが、今日は違う。
グループ全員が帰るまで、ゆっくりと残業をする。
22時を過ぎた頃には社内には課長と二人きりになっていた。

「おい、森下」 途端に鼓動が早くなる。

「なんですか?」

「あんまり遅くまで仕事すると肌に悪いぞ。もう帰れ。」

「大きなお世話です。」 広げていたファイルを放り出し、PCの電源を切る。

ほんの数秒、真っ暗になった画面を見つめていた。画面のわたしと目が合う。
慌てて逃げるように帰り支度をして、会社を飛び出した。

わたしはなんてバカなんだろう。
やっぱり課長はそんな気はなかったんだ。
もう、考えるのはよそう。はじめから何も無いんだから。


翌朝、昨夜寝つけなかったこともあり早朝に出社した。
課長に会うのを避けようとも思ったが、気にすることじゃないと自分に言い聞かせた。
給湯室にはまた課長の姿。社内にはまだ誰もいない。

「おはよう。昨日遅かったのに今日も早いんだね。」

「おはようございます。課長こそじゃないですか。」

「そうだ。今日あたり早く終わらないかな。約束の契約祝いしなきゃね。」

「え、あ、はぁ。」 頭の中の整理が追いつかない。

「ちょうど駅前に小料理屋を見つけたんだ。そこでいいかな?」

「わたしは何でも・・・」 

昨日全部捨てたはずの思いが再びわきあがる。
いくら否定の言葉を並べても、その思いを押し返すことができない。
わたし、やっぱり課長のことが。

小さな料理屋だった。
騒がしい居酒屋とは違う。中年男性が通うような店というイメージ。
課長はしきりに謝ってた。給料前だからゴメンな。なんて。
そんな姿を見ているだけで、気持ちが温まる。
ただ笑って、飲んで、最終電車に間に合うように家に帰った。


大口の契約がまとまるたびに、二人で飲みに行った。
男女としてのそれではなく、同僚として、仲間として。
美香にはそんな関係が心地よかった。それで十分。そう自分に思い込ませていた。


そして、あの女が現れた。


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あけおめ~!ことよろ~!

2008年01月23日 00:19

はい、あけましておめでとうございます☆
あっという間に1月も終わりですね。
まだ卓上カレンダーが12月な私です。

いやね、マジでおかしいですよ。2008年。
このままだとカレンダーめくるヒマも無いんじゃないの!?とか思う。

今から作る書類が山ほどありますからね。
ただいま0時20分ですが、朝までやっても絶対に終わりません。

彼女依存症の私が、「ちょっと忙しいからゴメン。」とか言ってるんですよ。
『もう逢えないの?』とか素で言われましたよ。なんなんですか。


そういや「貧乏ヒマなし」って言うじゃないですか。
これ考えたヤツは正真正銘の天才ですよ。
このクソ忙しいのに株価は毎日下がってるし、福田のオッサンは何やってるかわかんないし、
お気に入りのラーメン屋はつぶれるし、灯油が無くてストーブ使えないし。
もうね、ストレス溜まりまくり。

年始の挨拶回りもしたんですがね。
「いやぁ~お宅は仕事がたくさんあってうらやましいよ~。」とか言いやがる。
あんまりムカつくので、菓子折り隠してタオルだけにしましたからね。(←やることが小心者w)
代わってやりたいわ。ホントに。


ってなわけで、お叱りをいただいているのですが、小説の続きは今しばらくお待ち下さい。
(そんなもん忘れたわ!って言わないのが大人のマナー)
さらに10万ヒットも近いようなのですが、これも必ず後日埋め合わせしますので。
(↑なんだか必死に彼女に言い訳してる自分と重なる・・・)

こんな記事あげるくらいなら続き書けるじゃん?ってことに今気づいたぞ。


ともかく、今年もこのブログを生暖かく見守ってくだされば幸いです。
皆さまにとって良い残り11ヶ月でありますように。


                               ビール片手でやさぐれ中のおわわより。



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