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沸点

2008年02月29日 12:20

もう2月も終わりですね。
明日からは3月ですよ。ひな祭りで酒が飲めるぞ~!
振り返った時間は本当に早いものです。


さて、回りくどい話でもしますか。(いつもとか言うな!)


水の沸点は100℃ですが、これは1気圧下での話。
沸点は気圧によって変わってしまうんですよね。
私は化学とか物理とかサッパリなので、この辺でやめときますw

恋愛の度合いを水の沸騰にたとえてみます。
最初はなんてこともない関係(ただの水)が、徐々に温められて熱くなってくる。
水の温度は20℃から40℃へ、60℃、80℃、さらに沸騰に向けて温度を上げる。
上がるばかりじゃありません。もちろん下がることもある。
常に温度は変化し続けるんです。時には0℃以下となって氷になることも。


私の主観ですが・・・
恋愛と水が決定的に違うのは、恋愛は100℃までいくことがまずありません。
いくら本人が100℃だと言い張っても、せいぜい90℃近辺だと思う。
100℃じゃ自分も大火傷しちゃいますし。相手も困ることになる。
ま、全身全霊を賭して、相手に奉仕できるってのは一部宗教の狂信者だけですから。

90℃以上になると、保温にも維持費がかかるしね。ポット参照ww
かと言って60℃以下じゃミルクも作れない。
誰もが、60℃から90℃の間で関係を作っているのでしょう。

でも、世の中にはですね。
ウソをついて、相手の関心を引いたりする人ってのもいるんです。
不倫関係でよく出てくるパターンとして、「すぐに離婚するから。」なんて常套句もその一つ。
絶対とはいいませんが、ほとんどありえない話なわけです。
ところが、言われた相手はそれを信じ込んじゃう。 なぜ?
そりゃ、自分の水の温度を上げすぎなんです。周囲が見えないほどに。


ところが。

そういう小手先のことじゃなく、本当に沸点を変えられる人も存在する。
相手の温度に合わせて自分の温度を変えるんじゃなく、気圧そのものを変えてしまう。

相手が90℃を要求していたとしますね。 ←男には多いパターンw 「オレの女!」的発想

気圧を変えれば、自分が60℃でも90℃に沸いてるように見える。
相手(男)にしてみりゃ、見た目は90℃ですから不満は無い。
本当はもっと冷めてるのでは?まで考えない。考えたくもないだろうけど。

本当に温度が上がっているのか?
気圧が変化しただけで温度は変わっていないのか?
見極めることは難しい。もしかしたら本人も無意識にやってる可能性もある。


私は男よりも女性の方が温度変化の波が大きいような気がします。
だから男は急激な変化に対応できない。

「気づかない」 んじゃなくて 「気づくころには遅い」 って感じ。

それを踏まえた上で、あえて「気づかせない」って女性がいたら・・・

付き合ってる男は幸せでしょうね。
女性が自分のだけのものになっている感覚を、ずっと持ち続けられるわけですから。
しかもおそらく最後まで、気づくことはないでしょう。
夢の中で、それを夢だと自覚できないように。


その女性と別れて、次の女性と付き合った時。
初めてその価値に気づくのかもしれません。


やっぱり男は 「気づくころには遅い」 んだなぁ~

なんて思う今日この頃です。

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two hearts 【解答編】

2008年02月26日 12:00

え~、かなりスネてる私です。
女性がスネてるのはカワイイのですが、いい歳こいたオッサンだとムカつきますよね。
すみません。ほっとけ。オッサン言うな。

しっかし、これほど構ってもらえないと息子もグレますよ。
あ、別にそっちの意味じゃありませんので。(そっち!?)
だらだら書くとお叱りを受けそうなので、さっさと解答編いきますか。
別に誰も期待してないでしょうがね。(←このあたりがグレ息子)

当初、サスペンスものに発展するはずじゃなかった【two hearts】
実はタイトルも全然違うラストをイメージして作られました。

既婚男性(課長)の視点から見た、彼女への気持ちと、家庭への気持ち。
二つの心の中で葛藤が起こり、悩み、見えない答えを探していく。
そんな話だったのです。うん、ごめん全然違うね。

見えない答えは、いつしかサスペンスの犯人探しに。
自分でも驚いてます。そろそろ頭の中ちゃんと調べてもらったほうがいいわ。


つー具合ですから、【1】・【2】話あたりなんて完全恋愛モードなのですよ。
まさかサスペンス方向へ転換するとは思いもしなかった!
だから課長が犯人なんてありえないんですね。なので課長は「×」

はい、一人消えました!



↑読んでる人の殺意を感じるな・・・

ごめんなさい。あっ!モノは投げないで下さい。
それでは 【two hearts】 マジメに解答編いきま~す

↓折りたたみ

[two hearts 【解答編】]の続きを読む

two hearts 【あとがき】

2008年02月22日 11:25

今日はあったかいですねぇ。
さすがに3月を目の前にすると春っぽくなってきますね。
花粉症の人は受難の時期ですが。(私含む)


え~と、完全に無視された感のある【two hearts】なのですが。
ここらであとがき&犯人探しでもしましょうか。/s>
コメントも一人しか入らなかったし(←スネモード)

最終的に殺人事件にまで発展するっていう意味不明な書き物。
これまでのパターンから大きく逸脱してます。
でもね、これって結構前から(第3話あたりから)自分としてはプロットしてたんですよ。

犯人不明にする以上、登場人物も複数必要ですし、それらを区別するのに名前もいる。
個人名の無い課長も、「課長」として名前の代わりにさせてもらってます。
その他の人物名はすべてフィクションです。木村っていう嫌いなヤツがいるわけじゃありませんw


さて、実は複数の重要参考人を存在させる場合、一番難しいのはどこか?

よく推理小説などで使われる最もずるい(意地悪い)パターンがあります。
それは「意外な人物」ってヤツ。私はこれが大嫌いでね。
アガサ・クリステ○なんかがよく使う。実は一番の親友が犯人だった!とか。

もうね、バカかと。アホかと。
しかも前述のアガサ~は、その犯人の心理描写しますからね。

親友の心の声 「誰だ、誰なんだ犯人は?」
↑このセリフを犯人が言ってるんですよ?ミスディレクションにすらなってない。もう詐欺。
最後読み終えて、文庫本そのままゴミ箱に捨てましたよ!
今回で言うなら、犯人は美香の後輩社員だった!とかね。誰それ?w


ハァハァ・・・
つーわけで、重要参考人は誰が見ても動機ある人物。
なので、課長・洋子・美香の三人に絞られます。

私としては、なるべく殺意がフラット(同じ程度)になるように書いたつもりです。
課長は会社を追われ、美香を犠牲にし、家庭が崩壊する危険。
洋子は木村にだまされ、プライドを傷つけられ、夫とも危機になる
美香は人間不信になり、自暴自棄になっていく。

思うに、誰が犯人でもいいと思うんですよ。
読んでいただいた方々の感覚によって犯人が変わる、ってのが目指したところですから。
例え犯人が木村を殺さなくても、別の誰かがやったであろう可能性。
犯人は、「たまたま最初に」木村を殺しただけ。全員動機としては十分ですから。


ですが。
犯人は存在してます。明確に。
その犯人について、誰もが納得できる説明がつく。
これを文中に散らすのが一番大変でした。何度書き直したかww

はい。ここからはお遊び企画です♪


① 犯人は誰でしょう?

② その理由は?


以上を踏まえて鍵コメ入れてください。必ず①・②に答えて下さいね。
正解者が一人でもいたら、3月いっぱいまで毎日更新しますよ。(←土日除くw)
ある日更新できなかったら翌日2本あげます。

【 2/26(火) 12:00 】 を期限とし、正解の記事をあげます。

それって正解しても何の得もねーだろ!?という方。
だから別に正解しなくていいです。(大変だもん)
あくまで遊びですので。


↓以下、ちょっとヒントを書きます。見る、見ないはご自由に~☆
[two hearts 【あとがき】]の続きを読む

前言撤回

2008年02月21日 19:47

いきなりですが。
前言撤回って「ぜんごんてっかい」ですか?「ぜんげんてっかい」ですか?
「ぜんごん~」で使ってる人って意外と多いんじゃないですかね。←私含む
このタイトル打ってようやく気づいたわ。

そういう意味では、ローマ字に教わることって多いですよね。
ふりがなって結構間違えてるものなんです。

【道路】 だって「どおろ」って打ちたくなるし。→度尾路?

【遠い】 だって「とうい」って打ちたくなる。→当為?

ん?「う」と「お」だけだな・・・^^;


ってなわけで前言撤回ですw
なにって、昨日の記事なんですがね。

彼女のことを追いかけないってのがヒドいって書いたじゃないですか。
私の心境は「あ~あ、いっちゃった。」だったんですが。
これって思うにですよ。んじゃ、ただ追いかけりゃいいのか?と。


いいですか、彼女が泣いてダッシュした。
追いかける立場の心境はいくつか考えられますよね。

① やべぇ、こりゃ取り返しがつかんぞ!

② とりあえず行っとくか、後々面倒だし。

③ またこの絵かよ~、他にパターンねーのか!?


↓以下、非常に女性の反感が予想されますので折りたたみ。

[前言撤回]の続きを読む

2008年02月20日 12:56

ようやく本線に戻って、彼女とのケンカの話。
引っ張るほどのもんじゃねーだろ!って意見は大人の対応をお願いします。


ケンカの原因って、いつも大したことないじゃないですか。
この時も、たかが時間に遅れたとか、んで機嫌が悪くなったとか、そんなことが発端。
ま、彼女の遅刻ってのは、さんざん書いてるように常習犯ですから。
もはや待ち合わせの時間に間に合うだけで雨が降りそう。

それに、私も時間通りに彼女が来ると思ってませんから、30分程度は遅れる前提で仕事を入れちゃってる場合が多いんです。
その時間の読みが甘くて、こっちが遅れちゃうこともあるんですが・・・

それにね、彼女は人を待ってられないらしいんですよ。
一つの場所にじっとしてらんないようで、遅れて待ち合わせ場所に行って見つけたためしがない。
彼女が遅れてくるか、見当たらない彼女にメールして探すか。
確かに私もじっと待つのは苦手ですけどね。


①彼女から遅刻の連絡が無い
   ↓
②私、待ち合わせ場所に到着
   ↓
③15分ほど遅れた段階で彼女にメール
   ↓
④さらに30分遅れるとの返信
   ↓
⑤私、書類を出しに別の取引先へ
   ↓
⑥彼女到着のメール受信
   ↓
⑦5分で行くよ!とメール返信
   ↓
⑧待ち合わせ場所に彼女はいない
   ↓
⑨「どこにいるの?」 とメール
   ↓
⑩「いま買い物中~♪」 と返信
   ↓
  プチン#


というフローチャートになってですね。
そらもう烈火のごとく怒るわけですよ。
まぁね、遅刻はもういいさ。化粧の時間もあるんだろう。着ていく服も選ぶんだろう。
もはやそれに関しては言わん。

だが、①・④・⑧・⑩は許せん。
あたしゃプータローでもニートでもないんですよ。(今のところw)
30分ありゃ出来ることもあるんですよ。つーか貴重な時間を無駄にしやがって。

彼女と一緒にいるのは貴重な時間ですよ。

いくらくだらないとは言え、仕事も貴重な時間。

ところが、何もしないで待ってる時間ってのは無駄以外の何物でもない。
電話もできるし、本も買えるし、コーヒーも飲めるし、近くの取引先に行けるし、トイレも行ける。


・・・なんてことを頭っからガンガン言ったんですわ。

途中で、「ヤベ、言い過ぎてるな。」と感じていたんですけどね。
後には引けないって言うか、抜いた刀の納めどころがないって言うか・・・

ついに彼女が泣き出しちゃいました。
女の子泣かす男は最低なんですがね、さらに追い討ちがありまして。

タッタッタ・・・と彼女が駅のほうに走り出したんです。
今来たばかりの道を逆方向へ。


本来ならここで追いかけて、無理やり彼女をつかまえて涙をそっと拭いてあげる。
な~んてシチュエーションが完璧なんでしょうね。ごめんなさい。

私ね、追いかけなかったんですよ。
あ~あ、行っちゃった。とか思ってて。(←最低だな。)
そしたら、追いかけないことに彼女が怒っちゃって。もう大変。
3ランホームラン打った直後の回に満塁ホームラン打たれた感じ。


アツくなっちゃうと、どうしても冷静な判断が鈍るんですね。
鈍るというより、冷静な判断を封じ込めちゃう。
「ここで追いかけると思ったら大間違いだからな。」という意味不明の葛藤が起きる。
意地を張ってるのとはちょっと違うんです。

彼女とも長い付き合いですから、そこんとこのさじ加減はわかってきましたけどね。
あくまで相互信頼ってのが必要な部分。


男ってのは、「ケンカしてでも相手に伝えたいこと。」なんてものを持ってる。
それだけ相手に期待して、相手を信頼してる証拠なんです。
それが裏切られた時に怒るし、悲しい。でも、あきらめるより数倍マシだと思う。

ケンカしないのが一番だけど。

一方的にガマンするより、ちゃんと相手に言った方が良い。

それを言える付き合いができてるってことが、一番嬉しいのかもなぁ★

追いかけて雪国

2008年02月19日 17:27

すゎて!

それこそまったく更新しないうちに2月半ば。
書き物してる時に普通の記事ってのもなんとなくねぇ~
(↑とってつけたような言い訳)

世間では爆発的に株が下がり、福田さんの髪と存在が薄くなり。
このブログもひっそりと10万ヒットを数え、あっという間にバレンタインデーも終了。
本来なら 「10万アクセスありがとうキャンペーン」 とかするとこなのですが、賞味期限の切れたお笑いネタなんて寒いだけですからね。
なに言ってるの今さら? しかも日々20アクセスの分際で? とか言う視線に耐えられません。
ひょっとするとウサギより精神構造が弱い私なのです。

世の中やっぱりタイミングですよ。タイミング。これ重要。
そうですねぇ。最近ホットな話題と言えば・・・


彼女とケンカしました。


いやもうホントに久しぶりに。
記憶にあるだけでも半年は経ってるんじゃないの?ってくらい。

前回追いかけなくて怒られたのは夏だったか?春だったか?
↑あ、この話でも書きますか。完全にタイミングずれてますが。


恋人だろうが友人だろうが、ケンカはしますよね。
程度の差こそあれ、ずっとニコニコって方が気持ち悪い。
気持ち悪いというより、どちらか、もしくは両方が強烈なストレスになりそうです。
そういう二人に限ってケンカすると、えてして取り返しのつかない状態になるんですよ。


「オレだってずっと我慢してきたんだよ。」

「わたしの気持ちなんて全然知らないくせに!」

「そんな・・・オレはいつも京子(←誰?w)のことばかり・・・」

「もう信じられない。口では何とでも言えるから。」

「そういう言い方すんなよ!」

ま、このあたりで京子(←だから誰?)も薄々気づいてるんですよ。
あれれ、こりゃ言い過ぎたぞ?とかね。
ところがどっこい、後には引けないのが京子ちゃん。


「あなた、わたしの気持ちを考えたことがあるの?」

「どうして、なんでそう思うの?」

「美鈴(←別人出てきたw)とクラス委員で一緒に仲良くしてたり・・・」

「え?美鈴? なんで美鈴が出てくるの?」

「クラスの人が見たっていうの。あなたと美鈴が一緒にいるとこ。」

「はは~ん。さてはヤキモチやいてるの?」

「そんなわけないでしょ!バカじゃないの。」

「カワイイとこあんじゃん。」

「なに言ってるの。別に、あんたなんてどうだっていいんだから!」

「ごめんな。」

「え?」

「お前の気持ち。気づかなくてごめん。」

「わ、わたしも、そんなつもりで・・・」


書いてて気持ち悪くなってきた・・・
とまぁ、どっかのツンデレ学級委員みたいにうまくはいかないんですよ。
さて、何の話だっけ?

あ~、彼女追いかけなかった話ね。

そうそう、あれは・・・


・・・次回ってことで。

two hearts 【12】

2008年02月18日 13:23

【最終話】

駅からマンションまではほぼ一本道だ。
5分ほど歩いて商店街を抜けると、寝静まった住宅街が広がる。
繁華街では気づくこともない街灯が、夜道に影を作り出す。

木村は片手にバッグ。もう片方の手でコートの襟をおさえて歩いていた。
さすがに夜になると気温が下がる。コートから差し込む冷気を少しでも防ごうと、襟を持つ左手を強く握り締めた。

革靴の規則正しい足音が家々のブロック塀に反響していた。
街灯のある電信柱の前を過ぎると同時に、自分の影が目の前に落ちる。
そして影は街灯から離れるにつれて長くなっていく・・・


気配を最初に感じたのは、耳だったか、眼だったか。
木村は何気なく下を向いていた。長くなった自分の影の足元からもう一つ影があらわれた。
それとほぼ同時に、ヒュンという乾いた音が耳のそばで空気を切り裂いた。

振り返る間もなく、木村の頭を猛烈な衝撃が襲う。
いつの間にか目の前にアスファルトの地面が広がっている。
見上げた空は、漆黒であるはずの空は、赤く染まっていた。

ほどなく、二度目の衝撃が彼を痛覚から永久に解放した。



「どうなってんだ!」 怒号が部屋に響く。
張り上げられた声は、騒然とした空気に飲み込まれた。

K県警察本部。強行犯捜査係。
すでに第一報から28時間が経過している。
深夜であっても、部屋の活気が損なわれることはなかった。

ホワイトボードには現場の状況、被害者の身辺、参考人の情報などが貼り出されている。
夕方、刑事を一人呼び出しておいた。第一報で駆けつけた所轄の刑事だ。
まだ新人で現場保全に動いたため、当初からの状況を聞くことができるだろう。

K県警の強行犯捜査係は全部で4班。
手持ち事件の無い第2班が本件の担当となった。
強行の解決はスピードが勝負。班長の名は溝口といった。

見慣れない顔が部屋に入ってきた。これが例の新人刑事だろう。
デスクに向かってまっすぐ歩いてくる。本部に知り合いなどいるわけがない。
溝口は緊張した面持ちで礼をする刑事を手で制し、説明を求めた。

「最初から聞こうか。」

「はっ、犯行が行われたのは2月13日の水曜日。ガイ者は木村俊輔、30歳。目黒に本社を置く商社に勤める営業員です。現在の勤め先は神奈川支店となっています。第一報は通りすがりの会社員。木村が倒れているのを見つけ、大声を出したため近隣の住民が駆けつけて通報したそうです。」

「鑑識の見解は。」

「遺体は頭蓋骨陥没、胸部及び腹部に多数の切創傷、直接の死因は頭部打撃による模様。現場に争った形跡はなく、付近の聞き込みでもそういった情報はありません。凶器は現在のところ発見されず。解剖の結果、胃の内容物から死亡推定時刻は午前0時ごろと推定されます。」

「ということはだ、犯人はガイ者を後ろから殴った後で刺したということか?」

「そのようです。出血の状況から見ても、頭部への殴打が致命傷になったことは間違いありません。」

「とどめを刺すって心境か。」

「おそらく確実を求めたのでしょう。最大の傷は左胸で、背中からの貫通創となっています。」

「容疑者は?」

「現在のところ3名あがっています。」 ホワイトボードにちらりと目をやる。

「続けろ。」

「はっ。まず一人目ですが、水野洋子、32歳。木村が勤める会社に出入りしていた事務機器メーカーの営業です。彼女は既婚ですが、木村と水野が二人でいる所をマンションの人物が複数目撃しています。二人が通っていたらしい飲食店の店主からも確認をとりました。夫は現在単身赴任で大阪にいるようです。洋子と木村との関係には気づいていなかったようですね。さらに、押収した木村のデジカメからは水野洋子と思われる女性の全裸の写真が複数出てきています。夫は明日、上京する予定です。」

「次は。」

「続いて木村の上司の課長です。36歳。この課長はどうやら水野洋子に好意を持っていたようですね。社内の聞き込みでも、二人が近くの喫茶店で食事しているのを見かけた者が多数います。また、木村のパソコンからは、この課長と水野洋子がホテルから出てくる写真が見つかりました。どういった経緯で木村が写真を入手したのかは不明。不倫関係を掴んだ木村が何らかの脅迫行為に及んだ可能性はあると思われます。聴取でも、水野洋子への好意は認めたものの、あくまで職務上での打ち合わせだけだと主張しています。」

「あと一人。」

「はい。木村の同僚で森下美香、30歳。事件前、二人が口論になっているのを社内の人間が目撃しています。また、森下が先の課長を特別視していたことは他の同僚も認めています。木村との口論も課長の写真を巡る話だとすればつじつまが合ってきます。さらに数日前に駅前の居酒屋で、美香と課長の二人を見かけたという店主の証言も得られています。その時に美香はかなり取り乱していたらしく、美香は半ば連れ出されるようにして店を後にしたようです。美香に任意同行をかけたところ、泣きながら謝り続けているようです。落ち着いてからあらためて話を聞きますが、犯行を認めたとも考えられます。」

「想像はよせ。3人のアリバイはどうなってる?」

「どれも完全じゃありません。家庭持ちの課長は在宅中と言ってますが、寝室が別なため断定はできません。水野洋子は退社後に自宅近くのコンビニに立ち寄ったのを店員が記憶していましたが、22時以降のアリバイが不明です。森下美香に関しては退社時間のタイムカード記録のみです。これは21時となっています。まぁ、普通に生活していて午前0時のアリバイを証明できるほうが珍しいですが。」


無事に報告を終え、ホッとしたような若い顔を見上げた。
一瞬にして新人刑事の表情から安堵感が消え、緊張感が目に宿る。

数秒の沈黙ののち、溝口が問いかける。

「一つ聞いてもいいかな。」

「はい。」 刑事は背筋を伸ばして次の言葉を待ち構えてる。

「お前なら、誰を犯人にしたい?」

「誰を犯人にしたいか。ですか。」 刑事は口をあけている。

「お前なら、この3人の誰を犯人にする?それとも複数か?」

「いや、自分には、その。」 新人の目に困惑の色が浮かんでいる。

「いや、何でもない。忘れてくれ。引き続き現場周辺の聞き込みを頼む。」

「はっ!」 刑事は逃げるように会議室を出て行った。


無理はないか。
年齢だけの問題とも言えないだろう。世の中には知らないほうがいい事も多い。
ホワイトボードに目を移し、もう一度事件を追ってみる。

見えざる心。それを一番強く持っていたのは誰か。

自分の中に、もう一人別の自分がいたのは誰か。

光と影が入れ替わったのは誰か。



部屋を出て、長い廊下を歩く。
自販機のコーヒーを啜り、時計を見上げるとすでに6時近かった。
外へ出るといつの間にか雨が降り出している。霧のような雨。
明け方になって急激に気温が下がっている。


犯人の元に着く頃には雪になるかもしれないな・・・


コートの襟を立て、溝口は夜明けの街に消えていった。


(終)

two hearts 【11】

2008年02月12日 12:04



女の直感、なんてものが本当に存在するのなら、美香はそれを持っているのだろう。
美香の直感とは、敵を見抜くために使われているようだが。

彼女、水野洋子を初めて見たとき、美香は言い表しようのない何かを感じていた。
敵対心でもない、猜疑心でもない、それは光の中にある漆黒というか、強い影のようなもの。
洋子の仕草や、表情、持ち物にまで深く、濃い影が映っているように見える。

木村に連れ添われて、洋子が社内に入ってきた時のことをよく覚えている。
最初に目が会ったのは美香だった。いや、そうだったように思う。
美香の思いを察したのではないだろうが、洋子の視線は冷淡だった。
はにかんだ表情を変えずに、社内を目だけで一周させている。
なぜか、獲物を捕らえる肉食動物のテレビ番組シーンが頭に浮かんだ。

社内は、簡易的なパーテーションで応接室の体裁を作っている。
無機質なテーブルと椅子だけの仕切りが二つ。
少しでも大きな声で話せば会話はつつぬけになってしまう。
居留守を使った部長の声が応接室から聞こえた、なんて笑えない話もある。

応接室にお茶を運んだのはグループの後輩だった。
洋子が何をしにきたのか、どんな用件なのか興味はあったが、なるべく意識の外に置くようにしていた。
どうせ飛込み営業だろうから、すぐに帰るだろう。

沈黙が破られたのは、課長が洋子と応接室に入って10分くらいの時だろうか。
「どうしてダメなんですか!」 発せられた声は名ばかりの応接フロアから社内に響いた。
一瞬、全員の顔が応接フロアに向く。
美香の目には応接フロアが黒い霧に包まれたように見えた。

「どうしたんですか?」 洋子が帰った後、課長に話しかけてみる。

「一生懸命が空回りしてる感じだね。悪い子じゃないんだけど。」

他人の容姿についてとやかく言うつもりはない。
それほどうぬぼれてはいないし、嫉妬心だけで生きてるわけでもない。
でも、課長には洋子の本質は見えなかったのだろうか。
女には見えて、男には見えないものなのだろうか。


洋子が社内に出入りするようになって、課長は変わった。
美香には洋子に変えられたようにも見えたが、そう思い込みたい自分もいた。
まだ課長のことを考えてる自分にも驚いて、仕事に頭を切り替える。

洋子と課長は、まるで恋人のようだった。
それが洋子のしたたかさだったし、美香にはないものだった。
二人のことは社内で少なからず噂になり、社外で二人を見かけた者まで出てきた。

契約後の課長との食事も減っていた。
契約は取れるのだが、美香は課長と二人になる事を避けていたのだ。
課長が美香の気持ちに気づけばいい。という考えもあったし、社内で取引先の女性と噂になってる男性と一緒にいるところを見られでもしたら、とんだ笑い者だから。

このまま忘れられるかもしれない。うまく自分の気持を消化できそうな気がした。
転勤の多いこの会社で、いつまでも同じ部署の方が珍しいんだから。


木村のパソコンを偶然見かけたのはそんな時だった。

考え事をしていて、気がつくと木村のデスクに空のマグカップが置いてあった。
今日のお茶当番は美香だった、一緒に片付けようと席を立つ。
木村は向かいの席なので、普段は画面を気にすることもない。
社内では人気者の木村も、美香にとってはそれほど魅力を感じる相手ではなかった。

木村の画面はスクリーンセーバーになっていた。
マグカップを取ろうとした時に少し、ほんの少し、カップがマウスに触れた。
休止状態だった画面が静かな音とともに立ち上がる。
そこに映し出されたのは課長と、洋子がホテルから出てくる写真だった。

ガタン。慌ててマグカップを落とし、それを拾う間もなくディスプレイの電源を切った。
カップを持って走るように給湯室に向かう。心臓が耳のそばにあるように大きな音をたてている。


自暴自棄になっていたんだと思う。

ほどなく戻った木村が、ディスプレイの電源ですべてを悟った。
グループは美香しかいなかったし、美香は誰が見ても動揺していた。

そして木村から形式だけの告白を受けた。
「ずっと気になっていた。」 「付き合って欲しい。」 「彼はいるの?」
それらの言葉は、音だけでしかなかった。まったく気持ちに届かない言葉たち。

ずっと押し込めていた気持ち。画面の中で笑う二人。
どんなに否定しても自分をだますことはできなかった。
どこかにあると信じ続けていた希望の火が今、消えた。

誘われるまま、木村と食事をし、彼の部屋で一夜を過ごした。
誰かに自分を壊してもらいたかった。誰かのそばにいたかった。今は何も考えたくない。


朝、目を覚ますと、となりで木村がささやいた。

「あの写真で課長はおしまいだ。そうすりゃ時期課長は俺しかいない。」

「そんな。相手の女性だって迷惑しちゃうじゃない。」

「大丈夫、口封じはしてあるさ。あれで結構すごい女なんだぜ。ほら。」

誇らしげにデジカメの画面を見せる。
洋子の乱れた姿が写っていた。この写真の意味するもの。あの二人の写真。

美香はすべてを悟った。
昨日の告白だけが、彼のシナリオになかったものだろう。
本心では、まったく心に響かなかったわけじゃなかった。
同じベッドで、美香も木村を求めたのだから。

怒りと、悔しさと、情けなさと。

「美香のことも部長にうまく話してやるからな。だから二人が付き合ってるのは内緒に・・・」

木村の声はすでに美香に届かなかった。
いま炎が美香を焼き尽くしてくれたら、どれだけ幸せだろう。

わたしにできること。しなければならないこと。
目の前にいる男を止めなければならない。


永久に。




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