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とある休憩室の会話

2009年03月30日 20:14

バタン。扉の閉まる音が勢いよく室内に響く。
フロアの一番隅にある喫煙室。女性二人は室内に入るなりタバコを抜いた。


「だってさ。」

「ナニあれ?いきなり中止ってどういうことよ?」

「うちのP(プロデューサー)も小心者だからね~。」

「なに、なにか知ってるの?」

「わたしも聞いた話なんだけど、Pったら社長室で怒鳴られたらしいよ。」

「そりゃ、あの数字じゃね~」

「こりゃ、今度の人事異動で地方もあるかもね。」

「キャハハ。ありえるわ。」


怒りの収まらない様子の二人。
パッケージから2本目のタバコを取り出す。


「それにしても中止までするとはね。」

「視聴率低いのはウチの会社全体だからね。あの作品のせいじゃないと思うし。」

「Pの厄介払いってこともあるかも。」

「そういや、あの作品って言えばヘンな噂がたってるよね。」

「なになに?」

「あの後に第4部で絡みシーンだったでしょ。それがあまりにも強烈過ぎてNG喰ったとか。」

「私が聞いたのは第5部だったな。突き詰めたらリアルと区別つかなくなって逃避したって話。」

「どっちにしても私らには関係ないか。」

「そうね、どうせ新しい番組でもADはADだからね。」


まだ半分ほどの吸殻を灰皿に押し付け二人は出て行く。
一筋の煙が細く立ち昇っている。


不完全に消えた炎と

半分残された吸殻


それが思い出されることは、もう、ない。

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刹那 Ⅲ

2009年03月26日 22:09

act.3  【ゲーム】


「何か用?」

自分でも驚くほど冷たい声。
全身から発せられる嫌悪感。
相手を射抜く視線。


それらは全部素通りしたらしい。
目の前の男は必死に何か話してる。まるでそうすることが義務のように。
話の内容なんて聞いてなかった。ただ観察してただけ。


「ま、ここじゃなんだからお茶でも。」

安い言葉。
おそらく何百回となく繰り返されたセリフ。

冷静でいるわたしを見ているもう一人のわたし。
それが何を意味するのか、わからない。

男の話は止まらない。
彼と違う男が隣りに立ったのはいつぶりだろう。
互いの服が触れるか触れないかの距離感。

なにもカップルだけが並んで歩いてるわけじゃないよね。

カップルって?


駅を出てすぐのマクドナルド。まさかと思った。
お茶を想像するのに時間がかかる。ナンパも不景気なのかな。
彼とは一度も来たことない。あの人は人ごみが苦手だから。
唯一の救いは人が多いこと。同時にそれは救いようのないことでもあるけど。


「ちょっと待ってて。すぐに飲み物買ってくるから。」

窓際の通りを見下ろすカウンターに腰掛ける。
交差点を行き交う人たち。まるでガラスが大きなスクリーンみたい。
ぼんやり両肘をついてるところにコーヒーが差し出された。

「いなくなっちゃうかと思ったよ。」

その手もあったか。

紙コップに注がれた大量生産のコーヒー。
相手の名前も知らない男女。
とりとめもない話。高校生の笑い声。


「せっかくだからさ、名前教えてよ。」

親戚の子供の名前を教えた。呼ばれても絶対に振り向けない。
『ちゃん』付け。わたしがその子を呼ぶのと同じ。なんとなくくすぐったかった。

会話をキャッチボールに例える人がいるけど、その比喩は間違ってると思う。
だって、少なくともわたしは1球も投げなかったから。

ずっと話し続けるロボットを見ているみたいだった。
どんなに遠回りをしようともロボットの目的は一つ。『とにかくやらせてよ。』
さて、この男はどうやって迷路を進むのか。


「ねぇ、軽く飲みに行かない。近くにいいとこあるんだ。」

コーヒーは残り半分。
それにしてもストレートな迷路。ゴールまで最短距離を進むランナー。
わたしはもう一人の自分から逃れたくなってきていた。
だって、もう一人のわたしはもう先に進んでいたから。

「おごりなら。」

「もちろん。」

契約成立。こういう男と体を合わせるのもたまにはいいかも。
って、なに考えてんだろ。わたし。


男が女を抱くって決まってるわけじゃない。

女が男を抱いたって別にかまわないはず。

淋しさを紛らわす一番の方法は誰かと一緒にいること、だから。
悪いけれども、今夜はこの男を利用させてもらおう。
相手が望む代金は支払うんだからお互い様。


居酒屋を出た時には腕を組んで歩いていた。

何を食べたか、何を話したか、全然覚えてない。
もちろん酔ってなんていない。冷静で無感情な二人のわたし。


今がよければいい。

明日のことを考えるのはよそう。

消せない過去なら消さなきゃいい。

未来のことは誰にもわからない。そうだよね。


もう一人のわたしから返事はない。



ネオンの光る路地を数分歩いて「空室」と書かれた自動ドアをくぐった。

刹那 Ⅱ

2009年03月20日 00:25

act.2 【転換】


「久しぶり」

電話帳から消えているとはいえ、着信したのは事実。
彼と一緒になる前に何度か会っていた男のアドレス。
前のメールは記憶にすらない。遠い昔の話みたい。
運ぶ足の重さが二倍になった気がする。


メモリーから消されるアドレスには2通り。

一つは自分にとって意味のないもの。価値の無いもの。

もう一つは以前意味のあったもの。


相手が誰かはわかっている。
そんなことはどうでもいい。わたしにとっては過去以上でも以下でもないから。
駅の階段を上がりながらメールを開封せずに消去した。


まったく男ってヤツは。


一度関係しただけで、あたかも自分の所有物のように態度が変わる。
どう考えればそう思えるのか不思議でならない。

そうして束縛されることが「彼女」としての役割だと思っていた時期もあった。
それを喜びと勘違いしていた時期も。

永遠の彼女。都合のいい夢物語。


家路に向かう途中で深夜のコンビニへ。
自動ドアをくぐると同時に彼からメール。
少しホッとした自分と、言葉で言い表せない自分。

朝食を買って、今日はゆっくり休もう。
明日は日曜日。彼からのメールは来ない。



強い日差しで目が覚める。
ここのところ眠りが浅い。深く眠ることが怖くなったのかもしれない。

携帯にメールの着信を知らせるランプが点っている。
彼からのはずはない。振動で起きなかったことを考えると深夜のメール。


「たまには会おうよ。」


冗談も二度目になると冗談じゃなくなる。
せっかくの休日が台無し。まったく何を考えてるんだろう。
休みの前の日にメール寄越してホイホイ出てくると思ったんだろうか。
浅い眠りの原因がはっきりした。削除。

コンビニの朝食を済ませ、身支度を始める。
別にどこに行くあてもない。とにかく今日は一人でいるのが嫌だったから。


ホームに電車が滑り込む。
ゆられること1時間。目的の無い目的地に到着。

無風、快晴。

お気に入りのショップをぶらぶら歩く。
季節の変わり目ということもあって、どこも春らしいものが並んでいる。
買う気が無いのがわかるんだろうか。店員と余計なおしゃべりをしないで済むのは助かる。

彼とよく行く喫茶店へ。
テーブルの向こう側がこんなに広いと思わなかった。

映画でも観ようかと思ったけど、女一人で映画館というのに耐えられそうもなかったのでやめた。
服を選んでも、似合うかどうか判断してくれる人がいない。


・・・帰ろうかな。



「ねぇねぇ、ちょっとだけ時間ある?」

デパートの地下道を帰りの駅に向かっている時だった。
同じセリフを二度言われて、わたしに言ってるんだと気づいた。

声の主はどうみても20代そこそこ。

ちょっとからかうには楽しいかもしれない。
加速しかけた足を止めた。


「何か用?」

刹那 Ⅰ

2009年03月16日 15:40

act.1 【流れ行く車窓の中で】


いつもと同じ曜日。いつもと同じ時間。
もう何度繰り返されたんだろう。

「ふぅ。」

小さなため息。
彼が手を振った姿がまだ瞼に残ってる。
今日、わたしはちゃんと笑えてただろうか。

電車の過ぎ去ったホーム。
行き交う人を急かすのは、凍える寒さか、それとも繰り返しのルールか。

階段に向かう自分の足元を見ていた。
そういえば、前を向いて歩かなくなってどのくらいになるんだろう。


ずっと同じ気持ちなんてありえないと知ってる。
それはわたしだけのことじゃないとも思う。

光に包まれたように見えていた時期もあった。
二人で同じ時間を過ごしていることに価値のあった日々。
もちろん、今だってそうに違いない。

思い出を作ろうと必死になっていた。
彼と一緒にいれば、わたしは幸せな気持ちになれる。

体を重ねるたびに、彼と一つになっていた。
彼はわたしの一部で、わたしは彼の一部で。
淋しい時もあったけれど、光に包まれていればそれも忘れられた。

互いに相手を求め合い、互いを補完することでわたしはここまで来たと思う。
すべてを補うことはできなくても、二人にしか支えられないものがある。
そう思うことで、今のわたしがある。

彼と過ごす時間はあっという間で、彼と離れている時間は永遠のようで。
メールの返事が来なければ不安になって眠ることすらできなかった。


彼が一番。

ずっと彼に言い続けてたことを、いつしか自分に言い聞かせるようになった。
わたしは知っていたのかもしれない。
そうしなければもう一人の自分を抑えられないということを。

彼の前では一番の笑顔でいなければいけない。
彼の気持ちに応え続けなければいけない。

彼のために。
彼のために。


階段の手前で、もう一度ホームを眺めた。
彼の残像はすでに無くなって、真っ暗な空間が口を開けている。
不思議と淋しくはなかった。
冷たい夜風さえ、頬に心地いい。

もう、無理に笑うこともないから。

小さなため息と一緒に流れ出したもの。


ふと、我に返って慌てて気持ちを切り替える。
そんなはずはない。今日はちょっと疲れているのかもしれない。
こんな日は早く帰って休んだほうがいい。


バッグの中で携帯電話が震える。
彼がそろそろ駅に着いた頃かな。

考えてばかりだとロクなことがない。
やっぱりこうして彼とつながっていることが一番だと思う。

ほんの少しの罪悪感を追いやって携帯のフリップを開いた。


アドレス表記のメール。
電話帳に登録されていないという意味。



タイトルは 「久しぶり」 だった。

変身

2009年03月14日 16:41

先日の午後。
とあるデパートで彼女を待ってました。

すると彼女からメール。

待ち合わせの場所っていくつかあるのですが、今日は珍しいフロアにいるらしい。
いそいそとエスカレーターをあがっていきます。

私はおとなしくエスカレーターに乗れない人なのです。
右側をバッグぶつけながら歩いてくるサラリーマンいるじゃないですか。あれあれ。
エスカレーターの追い越し車線って、関東は右側で関西は左側ってホントですか?

最近はキャスター付のバッグ(キャリー式のヤツ)を転がしてる人が多いので邪魔なこと!
それをお持ちの方は、隣りを歩くリーマンで舌打ちするヤツがいたら私です。


昼下がりですから無人のエスカレーターをテクテク。
すると彼女の後姿が見えてきました。


ちょっとタイム。

どうも彼女は遠くから私を認識するのが嫌らしいのですよ。
明らかに目が合ってるのに、いきなり視線をそらしてあたかも直前でばったり会った!みたいな。

あのね。バレてるっつーの。
私の有効視界(勝手に命名)は左右190度くらいありますから。
んなことより、こんだけ一緒にいれば私服のバリエーションなんて限界があるでしょ。

有視界なら200m先でも認識できるわ。
だいたい上りのエスカレーター待ちで背中向けてることの意味がワカラン。


つーわけで。
完全に一度視線が交錯しましたが、彼女の後姿を発見。
でも、な~んか様子が違う。

まいっか。 「お待たせ~!」


振り向いた瞬間。あれ?
やっぱりなんか違う。どっか違う。
顔がね、う~んと、目鼻がハッキリしてるっていうか・・・(←普段はどうなんだ?w)


「なんか感じ違くない?」

「あ~!わかる~!?」

「う~ん。なんつーか・・・」

「クールになったでしょ~」


完全にクールの意味を履き違えてます。
どうせなら頭を少しクールにしろや。

聞くところによると、どうやら化粧品が変わったそうです。
アイシャドーだかアイラインだかアイコンだかよくわかりませんが。

ハッキリ言って、かなりイメージ違う。
そりゃね。まぁ似合ってるか似合ってないかって言ったら似合ってるけど。
どっちがカワイイか?って聞かれたらまぁそっちもいいけど。


・・・


・・・


女性が化粧品変えるのってどうなん?

それもブランドからイメージから完全によ?

折りしも今日はホワイトデーですよ?

「偶然」って英語で「アクシデント」って言うんですよ?

「変身」ってタイトル打とうとしたら「変心」って出たんですよ?←誰がうまいこと変換しろっt以下略



次回 妄想シリーズ 「実録!こうして彼女は奪われた!」に続く。

うおっ!?

2009年03月07日 20:23

おいおい!

あれれ?

なんか・・・


ふといただいたコメント読み返したのですが。


しかも自分の書いた記事も読み返したのですが。



もしかしてブログやめることになってる???



いやいや、やめませんよ!
リンク先の方に対して書いた記事ですよ?

別に10分更新が最後のあがきとかじゃありません。

やっぱり忙しいから閉鎖するとかじゃありませんってば!


ココやめたら私の心の拠り所がなくなっちゃうじゃないですか!(←言い過ぎ)

11万5千人の読者の方々に申しわけが立たないじゃないですか!(←延べで数えるな!)

ま、そのうちの7万3千くらいは私ですがねw



ともかく。と~も~か~く~

ココは終わりませんので。
よく町で 「こんなんでよく商売やってるな~」って感じの店がありますよね。
なぜか定価でティッシュペーパー売ったり、タワシとか竹ぼうき売ったりしてる店ですよ。
八百屋とか肉屋とかならわかりますけどね、荒物屋がどうして商売になるのか不思議でなりません。

そういう路地裏の店をココは目指してるんです。
常連さんがたまに顔を出してくれればいい。
細々と気長に続けていきます。


つーわけで、今後ともよろしくお願いします。


・・・なんか必死だなww

出会い

2009年03月05日 21:10

出会いが奇跡だと言う人がいる。

出会いが運命だと言う人がいる。


それぞれの人にとって出会いは特別で、限りのある時間。
ブログなんて本当は個人の独白みたいなもの。
人に聞かせたり読ませたりするものじゃないのかもしれない。

それでも、そんなブログで出会う人たちがいて。

そんな人たちに励まされたり、時には力を借りたりする。
ブログとかプロフってのは心の弱さをうつし出す鏡なんだと思う。

なにもなければ絶対に出会わなかった人たち。
一生で知り合う人の数は、やっぱり多い方がいいんだろう。
たとえ顔を合わせることはなくても、それ以上に自分の事を知っている人たち。


私がここに引っ越してきて、色々な人と話をすることができました。

出会いの数だけ別れがある? そうじゃない。
出会ってはいるが、別れてはいない。

いつかどこかで。


ありがとうございました。




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